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〜産後ケアのそばで地域とはなそう〜

#006

今回は、あゆむ庵を飛び出して——
京都橘大学へ。

京都橘大学で母性看護専門看護師(CNS :Certified Nurse Specialist)として教鞭をとる傍ら臨床現場でも実践されている
長坂桂子さんと、母性看護CNSを目指して勉強している大学院生さんたちに会いに行ってきました。​​​​

これからの産後ケア、
そして2040年のウィメンズヘルスを考える

木村:
京都からのスクラブトークです。
あゆむ庵じゃない場所で話す今日は少し緊張します。
長坂さんとも1年ぶりの再会ですが、SNSでもつながっているのでもっとお会いしているような感覚もあります。

長坂さん:
本当にそうですね
ありがとうございます、京都まで来ていただいて嬉しいです。
あゆむ庵のファンです♡

木村:

わ、ありがとうございます♡

長坂さんとお会いしたきっかけは

2025年、京都の訪問看護ステーションの木村美季さんがつないでくださって

京都サミット」としてランチしながら意見交換させていただいたのがはじまりでしたでしょうか。

長坂さん:

そうでしたね。

沖縄のeight訪問看護ステーションの喜久山さんもいらっしゃって

京都、沖縄、川崎の意見交換。時間が足りなかったですね。

木村:

とても有意義な時間で

場所も素敵でした。

長坂さん:

お天気のいい日で長楽館でしたね。

あの日の熱気、すごく印象に残ってます。

 

木村:

そしてその後すぐ長坂さんがあゆむ庵来てくださって。

びっくりしました。

 

長坂さん:

週末は関東の自宅に戻ることにしてまして。

 

インスタで、あゆむ庵さんがイベントをしているのを知り、急遽夫と友人を誘って、お邪魔しました。

縁側にはたくさんのご家族が集まっていて、初めてでも入りやすい雰囲気。
「ああ、ここは地域のみんなの居場所なんだな」と感じ、心がほっこり温かくなりました。

今もすてきな活動をされていますが、これから先、ますます大切な場所になっていくんだろうな。そんな気がしました。

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産後ケアの「これまで」と「これから」

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木村:

今日お話を聞いていて思ったんですけど、

産後ケアのガイドラインができる前から関わってこられたんですよね。

 

長坂さん:

そうですね。

 

以前勤めていた病院で、2013年から「産褥入院+パパ育児宿泊」を始めました。国や東京都の施策★に先駆けて、少し早い段階から産後ケアに取り組んだ形です。

チームに恵まれ、ママたちから寄せられた「退院を少し延ばして、産後の体を休めたい」という声を、実際の病棟ケアに取り入れることができました。

その後、日本助産師会からお声をかけていただき、2017年に公表された「産前・産後サポート事業ガイドライン」「産後ケア事業ガイドライン」につながる研究にも参加させていただきました。

現場の小さな声を形にした取り組みが、少しずつ地域全体の産後ケアへ広がっていったことを、とてもありがたく感じています。

 

木村:

その頃って、何を頼りにされていたんですか

 

長坂さん:

産後の支援を十分に受けられないお母さんやご家族と接する機会が多く、産後の疲れが心身に与える影響を強く感じていました。「この疲労を少しでも軽くできないだろうか」と考えたことが、産後ケアへの思いの出発点だったように思います。

新しいケアサービスを考えるときは、
「お母さんやご家族が何に困っているのか」
「一緒に働くスタッフや組織には、どんな強みがあるのか」
「地域や時代には、どんな支援が求められているのか」

この三つがうまく重なるところを探していた気がします。

木村:

今とは全然違いますよね。制度や仕組みが整っていく中で、見え方も変わってきていて。

 

長坂さん:

そうですね。整うことは大事ですが、その人を見ることは、ずっと変わらないですね。

川崎市で始まったアウトリーチ型産後ケア

木村:

私たちも今、川崎市でアウトリーチ型の産後ケアを始めていて。

やってみて思うのは、やっぱり現場って想定通りにいかないなって。

 

長坂さん:

うん、うん。

 

木村:

「これが正解です」と言えない感じがずっとあって。

 

長坂さん:

うん、うん。

木村さんのお話を伺っていると、産後のお母さんたちは、あゆむ庵さんのような地域に根ざした、ほっとできる場所だからこそ、いろいろなお話をしやすいのだと感じました。病院ではなかなか話せないことや、もっと幅広く多様な相談が出てくるのかもしれません。

また、同じ産後ケアでも、地域によって仕組みや運用のされ方はさまざまですよね。

地域の産後ケアには、決まった形が一つあるわけではないからこそ、木村さんをはじめ皆さんが、お母さんや赤ちゃん、ご家族のために、現場で工夫しながら、挑戦を積み重ねている様子が、とてもよく伝わってきました。そして、正解を求める活動でなく、地域にあったよりよいケアを届ける形を作り出そうとされているからこそ、自治体とコミュニケーションもたれていて、自治体にお母さんたちの意見を届けているところ、とても素敵で、パワーを感じました。

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学生さんとの対話から
生まれた「やってみよう」

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木村:
今日、院生さんたちとも話しましたけど、すごくまっすぐで。

 

長坂さん:
そうですね。彼女たちエネルギーがすごいです。


木村:
実はちょっとびっくりしたことがあって……
今日の話を追記して地域活動助成金申請に挑戦したと聞きました。

しかも締め切りが今日の17時だったらしくて
(写真撮影16:30くらいまでご協力いただきました・・・)

 

長坂さん:
え、応募の話は聞いていましたが17時締め切りは知らなかったです
それはすごいですね(笑)

 

木村:
間に合ったのか、ちょっと気になっています。

長坂さん:
動き出す一歩って大事ですよね。

- - - - - -

そして後日、院生の須田さんから嬉しいご連絡をいただきました。
「あの時間をいただけたことで、自分たちのやりたいことがより明確になり16:53、締切7分前に提出できました」
とのこと。

間に合ったーー!!
私たちも嬉しく思いました。

私たちとの何気ない対話が、院生さんたち自身の「やりたいこと」を整理するきっかけになり、そして実際の一歩に繋がった。
嬉しいですね。

話すこと
聞くこと
思いを言葉にすること
そして「やってみよう」と動き出すこと。
今回の京都での時間は、そんな小さな一歩が生まれる瞬間だったのかもしれません。
ありがとうございました。

「頑張っている人を応援したい」

木村:
長坂さんがずっとおっしゃっていた「応援したい」という言葉、すごく残っています。

長坂さん:
だって、地域でこんなに素敵な活動されているんですもの。いいなと思う活動に参画する方法っていろいろあって、「応援」もそのひとつかなと思うんです。

 

木村:
なんと!
とても自然に出ていたのが印象的でした。

 

長坂さん:
たぶん、本当にそう思っているんだと思います。
 

ゴールを決める
そして、変えてもいい

木村:
あと、「ゴールを決めることが大事」というお話も。

長坂さん:
そうですね。
未来逆算思考。その未来を実現するために「今、すること」を逆算して設計していく。

 

木村:
確かにそうですね。

 

長坂さん:
でも、うまくいかないこともあります。今は、パラダイムシフトの真っただ中にある時代なので、柔軟にゴールやマイルストーンを見直す、まあ、途中で変えることもありますね。

木村:
それ、すごくいいですね。
 

「夢に日付を」

木村:
今日もう一つ印象に残ったのが
「夢に日付を」という言葉で。

長坂さん:
ワタミの創業者、渡邉美樹さんの言葉ですね。

 

木村:
夢って、言っているだけだと流れてしまうけれど、
日付があると一気に現実になりますよね。

 

長坂さん:
ほんと、一気に自分の人生の出来事になる。
私、渡邉美樹さんの言葉のファンなのです。

 

木村:
私も今、まだ言えていない夢があって。
でも今日、言語化していくことの大切さを改めて感じました。

長坂さん:
夢育て中ですね。
 

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「背中を押す言葉、伴走する音楽」

木村:
音楽の話になってしまうのですが
Mrs. GREEN APPLEの曲を聴いていると、
「思いを言語化すること」の大切さをすごく感じるんです。
背中を押してもらっているような、伴走してもらっているような
時には一緒に立ち止まって振り返ってみたり・・・・

長坂さん:
そうそう。わかる~。
娘も、Mrs. GREEN APPLE の大ファンで、受験勉強の時によく聞いていました。

♪限界?上等。やってやろうか
 愛を捨てるほど暇じゃない、All right All right
 ここを乗り越えたら楽になるしかない
  (Mrs. GREEN APPLE ケセラセラ)

気づいたら、私も、「限界?上等。やってやろうか」と唱えてたりして。背中押してもらって。音楽にはそういう力がありますよね。

 

木村:
音楽のちからですね。
そしてJAM’S嬉しいです♡

2040年の未来を見つめて

木村:
2040年の話も出ていましたが、
長坂さんはそこを見ていらっしゃるんですよね。

長坂さん:
そうですね。2040年は。社会が大きく変化する節目の年です。たったあと14年後。

 

木村:
長坂さんが大会長をされる、第29回日本母性看護学会学術集会https://web.apollon.nta.co.jp/jsmn29/
もそのテーマでしたよね。

長坂さん:
はい。大会のテーマを「未来の話をしよう。地域で支えるウィメンズヘルス」にしました。

木村:
2040年って、今の延長ではない未来ですよね。

長坂さん:
そうですね。

2040年には、65歳以上の高齢者が人口の約35%を占めると見込まれています。女性の平均寿命も90歳に近づき、少子化や働き手の減少もさらに進むと考えられます。
こうした変化のなかで、家族の形や暮らし方は、今まで以上に多様になっていくでしょう。
これからも住み慣れた地域で安心して暮らしていくためには、女性の健康に関する相談ができ、必要な医療につながれる環境が欠かせません。
さらに、テクノロジーやAIを活用して、無理なく続けられるケアの仕組みをつくることも大切です。社会的な困難や病気を抱える人を、医療機関だけでなく、地域の暮らしの場で支えられる体制づくりも求められています。


木村:
今日の話って、全部そこにつながっている感じがしました。

長坂さん:
そうなんです、つながってます。
こころさん&あゆむ庵さん&ばぶ庵さんの活動は、未来の地域の家族・ウイメンズヘルスを支える活動ですものね。

 

木村:
私の力不足で、うまくまとまらないんですけど……
今日、本当に良い時間でした。
貴重なお時間ちょうだいしまして本当にありがとうございました。

長坂さん:
素敵な時間をご一緒させていただきありがとうございました。元気、出ました。


木村:
またこういう話、続けたいですね。

長坂さん:
ぜひ。第2弾の機会、考えているので、また別途ご提案させてください!

 

木村:
その日を楽しみにしています。
京都橘大学の長坂さん、院生のみなさん、
素敵な時間を本当にありがとうございました。

そして、このご縁をつないでくださった
おとなり訪問看護ステーションの木村美季さんにも、心から感謝です。

日々奮闘する私たちを引き続きお見守りください。

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長坂桂子さんプロフィール

 

京都橘大学看護学部准教授、博士(看護学)。

助産師、保健師、看護師。母性看護専門看護師、アドバンス助産師、

 

母性看護学、ウィメンズヘルス、周産期メンタルヘルスなどを専門とし、臨床での実践経験を基盤に、教育・研究に携わっている。

産後ケアの歩みを長く見つめ、現場での実践と教育・研究の両面から、女性と母子を取り巻く課題や、これからの支援のあり方について考え続けている。

2027年5月29日(土)に京都橘大学で開催される「第29回日本母性看護学会学術集会」では大会長を務める。

 

学術集会のテーマは、

「未来の話をしよう。2040 地域で支えるウイメンズヘルス」

これからの時代、女性の健康と母子を地域でどのように支えていくのか。

専門職だけではなく、さまざまな立場の人が知恵を持ち寄り、未来のウィメンズヘルスについて考える場をつくることを目指している。

 

 

★2014年 妊娠・出産包括支援モデル事業:産後ケア事業

2015年 地域における切れ目ない妊娠出産支援の強化事業

→ゆりかご東京事業の包括的支援事業として産後ケア事業

 2016年 厚労省 予算案の主要施策に「産後ケア」明記 

 

引用 20241120_councils_shingikai_seiiku_iryou_0238af12_04.pdf

★★産前・産後サポート事業ガイドライン 産後ケア事業ガイドライン(令和8年3月)は、3つの研究班(主担当研究班:公益社団法人 母子保健推進会議、分担研究班:公益社団法人 日本産婦人科医会、公益社団法人 日本助産師会)からなる平成28年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「産前・産後支援のあり方に関する調査研究」において、有識者や自治体職員等をメンバーとした検討会での議論やそれぞれの研究班での調査研究報告等を母子保健推進会議においてガイドライン試案として取りまとめ、その後に実施されたパブリックコメントに寄せられた意見等を参考に作成したものを平成 29 年8月に公表し自治体等で活用されてきた。 

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