

〜産後ケアのそばで地域とはなそう〜
#005
60分で終わらない支援
― 支援を続ける仕組みを考える ―
聞き手:木村里美
語り手:相澤郁美
(株式会社EMISORA代表取締役/保育士/Parklet Cafeオーナー)
ようやく会えた
木村
郁美さんのお名前は、実は以前からよく耳にしていました。
共通の知人から名前を聞くことも多くて、
いつかお会いしたいと思っていました。
でもお互い本業があり、
なかなかタイミングが合わなくて。
今年に入って、
Parklet Cafeで開催されていた歯固めのワークショップで、お手伝いさせていただいた時
ようやく直接お話しすることができました。
やっと会えた。
そんな感覚でした。


現場で感じていた違和感
木村
郁美さんが株式会社EMISORAを立ち上げた背景には
どんな想いがあったんですか。

相澤
保育や子育て支援の現場にいる中で、
「本当に必要な活動ほど続けるのが難しい」
という現実を何度も見てきました。
支援を必要としている人はいる。
活動も素晴らしい。
でも資金や人材、
運営の問題で続けられない。
そんな場面に何度も出会いました。
「支援は想いだけでは続かない」
木村
その言葉、
すごく共感します。
私たちも訪問看護や産後ケアを通して、
「必要とされている支援を、
どうすれば継続的に届けられるだろう」
と考える場面がたくさんあります。
利用者さんやご家族とのご縁は続いていくのに、
制度や地域資源だけでは補いきれない部分もある。
だからこそ、
支援を必要な人へ届け続ける仕組みについて考えることは、
とても大切だと感じています。
相澤
本当にそうですよね。想いはもちろん大切です。
でも想いだけでは続かない。
価値ある支援をきちんと届け続ける仕組みが必要だと思ったんです。

EMISORAという挑戦
木村
そこでEMISORAを立ち上げられたんですね。
相澤
はい。2022年に株式会社EMISORAを設立しました。
支援が一度きりで終わらないように。
必要な人へ、必要な支援が届き続けるように。
ソーシャルビジネスとして、持続可能な仕組みづくりに挑戦しています。
Parklet Cafeという居場所
制度と現場のあいだ
木村
Parklet Cafeも、
その活動の一つですよね。
相澤
そうですね。支援という言葉を前面に出すのではなく、
誰でもふらっと立ち寄れる場所。
人と人が自然につながれる場所。そんな居場所をつくりたいと思っています。
木村
私も実際にお伺いして、とても居心地の良い空間だと感じました。
必要だから行く場所ではなく、行きたくなるから足を運ぶ場所。
そんな魅力があるなと思いました。
60分の訪問のその先
木村
私は訪問看護をしていて、
ずっと感じていることがあります。
訪問は60分で終わる。
でも、
利用者さんの暮らしはその後も続いていく。
だから私たちは、
「60分の訪問のその先を
一緒に創らせていただきたい」
と思っているんです。
相澤
それはまさに、私が考えている支援と同じだと思います。
支援の時間だけを見るのではなく、
その人の暮らしや未来を見ていく。そこが本当に大切ですよね。
産後ケアにも通じること
木村
産後ケアも同じだと思っています。
利用したその日だけではなく、
その後の子育てや暮らしが続いていく。
だからこそ、
単発ではなく、
つながり続けられる場所が必要なんだと思います。
相澤
支援を文化にしていく。
そんな視点が必要なのかもしれませんね。
支援を続けるということ

木村
最後に、
郁美さんがこれから大切にしたいことを教えてください。
相澤
「続けること」です。
目立つことではなくてもいい。
派手じゃなくてもいい。必要な人に、必要な支援が届き続けること。
そのための仕組みを、これからも考え続けていきたいと思っています。

